スクールの方針
スクールに関わるすべての人の「ごきげん」を目指します。
この社会には いろんな人 がいます。
顔も違えば、性格も違います。
好きな音楽、嫌いな食べ物、趣味、特技、苦手なこと、癖、みんな違います。同じ人はいません。子どもだけでなく、大人もそうです。
周りに合わせるのが上手い人 ……
ストレスを感じにくい人 ……
恥ずかしい感情が薄い人 ……
ピーマンが好きな人……
このイホルラ舎もいろんな人がいます。
そして、ここは みんなが同じことを、同じタイミングで、同じペースで、行う必要はありません 。各自自分で考え、自分で決めます。ここは「自分らしさ」を維持する学びの場です。
いろんな個性が互いに影響し合います。
時にはそれらが共鳴し、時には対立します。
常に 対話を続けながら 、みんなの「ごきげん」を目指していきます。
スクール名について
「イホルラ」はメンバーのひとりがポロッと口にした造語です。万葉言葉の「庵る(いほる)」に似ていたため採用されました。「自分達の居場所/学ぶ場所を作る」という意味を込めています。家庭でもなく学校でもない第3の場が、「ほっ」とできる自分の居場所になればと切に願います。
「いつでも ホッと るんるん らんらん」と覚えてください。
基本原則

自己決定
自分のことは自分で決める
私たちは「人は誰もが素晴らしい力を持って生まれ、生涯にわたりその力を発揮し続けることができる」という理念を持っています。子どもも自ら必要とする学びを探求します。「遊び」も大切な学びのひとつです。
また「自分で決める」ことは自分の行動に責任を持つことを意味します。失敗を「誰かのせい」「何かのせい」にしていては主体性は身につきません。大いに失敗を繰り返し、学びを深めてもらえたらと思います。

対話の実践
みんなのことはみんなで決める
ここは大人が子どもを管理するところではありません。みんなで「がっこう」を作り上げていきます。楽しいことも面倒なことも決めていきます。
いろいろな好み/性格の子ども(大人も)が集まる場において、それぞれの欲求を通し続けることはできません。対話により折り合いをつけなくてはいけません。
誰でも話し合いたいことがあれば、ミーティングを開くことができます。

実体験重視
生活から学ぶ/体で覚える
ネットで調べて「知った」つもりになるのもいいですが、折角なら実際に体験してみよう。実物を見て、触って、疑問を感じて、実行して、失敗して……。
ここではものづくりができる。料理も畑作業もできる。科学実験や校舎の修理もできる。手を動かしながら学んでいこう。
スタッフはいろんな提案もします。楽しそうなゲストも連れてきます。お出掛けもしよう。新しいものに出会い、世界を広げていこう。
スクールのけんぽう
スクールには子どもが守る「けんぽう」があります。
- 自分のことは自分で決めて、責任を持つ
- みんなのことはみんなで決め、みんなで守る
- 他の人の自由を尊重する
- 「ありがとう」と「ごめんなさい」の気持ちを大切にする
- 人の気持ちも自分の気持ちも大事にする
- お互い思いやりをもって活動する
以上の「けんぽう」を基に、みんなでルールを作ります。ルールは都度新設されたり、変更されたり、撤廃されたりします。

よくあるご質問
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過ごし方を子ども達に自由に決めさせて大丈夫でしょうか。
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このスクールは「ごきげん」に過ごすこと、その上で個々の社会的自律/自立を目指しています。また、人は必要なことは自ら学び続ける存在であると考えています。
ここにはいろんな子が集まっていますので、それぞれが影響し合います。勉強したくなる子もいれば、ダンスをしたくなる子、船を作りたくなる子……。逆に集団であるからこそ、それぞれが好き勝手に過ごすことが難しい側面もあります。また「自由」に慣れず、何をしたらいいのか分からなくなる子もいます。
子どものケンカ、もめごと、葛藤、悩みもスクールでは大事な学びと捉えています。スタッフはメンバーの一員であり、子どもに対しては見守りのスタンスを取っています。スタッフが上から裁くようなことはしません。子どもと一緒にシェアし、考えていきます。同様に危険に関しても十分配慮いたしますが、怪我することもあります。それも大事な学びと考えています。保険には加入しておりますが、多少の怪我にもご理解いただけたらと思います。
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学習面はどうされていますか。
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現在(2022年6月時点)学習の時間は設けておりません。スクールとしては、基礎学習は大事だと捉えていますが、スクール内で強制させることはありません。
子どもによっては所属学校の宿題を持ち込んだり、市販のドリルに取り組む子、家庭学習をしっかりやる子など様々です。もちろん子どもが希望すればスタッフはサポートを行います。ただし「この問題集をやらせて下さい」など保護者様からのご要望をスタッフが子どもに強制させることはありません。イホルラ舎では、広い意味での「学び」を大切にしています。子ども自身がいわゆる「学習」が必要だと思った時には、相談にのったり、一緒に最善の方法を考えサポートします。
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電子ゲーム(スマホアプリ、PCゲーム含む)はどのような取扱いになっていますか。
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2022年12月より電子ゲームは利用可能になっています(制約あり)。1年半ほど禁止となっていましたが、子どもが提案し、ミーティングでルール変更となりました。否定的な意見も少なくありませんでしたが、「新しい子が入りやすい」、「世代の違う子も共通の話ができる」、「1人の時間をすごしやすい」、という点から採用されました。想定されるデメリットをいかに抑えるか、という視点で運用ルールが考えられています。ただし今後ともミーティングによって電子ゲームの取扱いルールが変更される可能性はあります。
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所属学校と連携されたりしていますか。
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はい。そもそもイホルラ舎は公教育を否定している訳ではありません。それぞれのできることを話し合い、連携できたらと考えています。具体的には、校長先生や教育委員会さんの視察、意見交換など実施しており、ほとんどの子どもが所属学校へ利用報告書の提出しながら「出席扱い」を認定してもらったり、通学定期発行許可を頂いています。
また、所属学校だけではなく、他の機関との連携も大切に考えています。
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スタッフはどのような役割を担っているのでしょうか。
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主なものとして、
活動の提案。子どもの世界を広げるために適宜行います。ただし何をするのか決めるのは子ども自身です。また子ども自らの提案を広げたり、深めたりするサポートもします。
コミュニケーションの仲介。基本的に子ども同士の問題やもめごとなどは見守りますが、子どもの状態や特性により必要と判断した場合、それぞれの気持ちを整理したり、気持ちを伝えるサポートをすることがあります。その時も子どもにどうしたいかは確認して行います。またミーティングにおいて、公平性を担保するためスタッフがファシリテーションを行うことがあります。
子どもたちの興味あること/学習/制作などにおけるサポート。一緒に遊ぶなかまでもあります。
スタッフは共にスクールで学び合い、「がっこう」を作るメンバーのひとりという立ち位置です。